2003.11 November
特集 情報活用の作文指導
【実践提案】 情報を活用する作文指導の工夫
(1) 書く意欲をたがやす場の工夫 金 隆子
一 はじめに

文章を書くのが苦手な子どもは、「何を書けばよいのかわからない」「書くのは面倒くさい」とよく言う。生活の中から自由に題材を選んでと言われても、書く材料と自分の感じたことや考えたことを結びつけ適切に表現することができないようだ。
年々、子ども達の思考力や表現力が低下している現実を目のあたりにしているが、書くことなしに確かな言語能力の定着や思考の深まりは望めない。自分なりの考えを持ち、自分らしく豊かに表現する力は「書く」力に支えられているのではないかと最近よく思う。
見る読む等も含めた体験を通して思考したこと、感じたこと、想像したことを文字によって伝達するのが「書く」ことである。
個の内にあるものを自分なりにまとめ、相手に伝えるために外に出す活動は、自分自身を見つめることにもつながる学びである。豊かなことばの使い手の育成を目指すとき、「書く」活動の充実は欠かせないものであり、自己が確立されてくるこの時期の子ども達には特に大切にさせたい学習だと捉えている。

二 書く意欲をたがやす場の工夫

授業はもちろん、その他の学びの場においても「書く場」と「書くための手だて」を意図的・計画的に準備し、指導事項を意識しながら、本当の意味での伝え合う力・生涯使える力を身に付けさせる必要があると思う。
子ども達に書く必然性を感じさせ、書く活動に広がりを持たせ、書く楽しさを味わえる場を工夫していくことで「書く」力のレベルアップを図りたいと考えている。
以下、日々向き合う子ども達の言語能力の実態と課題をふまえて、書こうとする意欲をたがやすために、教科・総合的な学習の時間・選択教科等の関わり、さらに子ども達が興味・関心を持つ情報機器を活用し、効果的に情報を利用し発信していくことも考慮した実践について述べてみたい。

三 実践にあたって

【実践のねらい】
(1)今日の情報社会に必要なコミュニケーション能力の基礎を固めながら、主体的に「書く」意欲を育てる(→情報教育・異文化交流)。
(2)情報を選択しまとめる力や活用する力を育てる(→情報機器の利用)。
(3)表現したい内容を練るために不可欠な「書く力」を育て、高めていく(→プレゼンテーションの場の設定)。

【大切にしたい指導項目】
(1)目的意識、相手意識の明確化
(2)取材の工夫
(3)構成や記述の指導
(4)ゴールの位置づけと評価
実践1は、総合的な学習の時間で学んだことをベースとした「書く」学習。実践2は、掲示板による交流活動における「書く」学習である。

四 実践1 〈中学三年国語〉

(1)総合的な学習の時間を活用して
<単元名「南原の伝統文化」地域の物語を掘り起こそう>
指導要領の改訂に伴い、国語の時間も削減となった。限られた時間の中で、国語科として身に付けさせるべき学力をどのように育成していくかが課題となっている。一方では、総合的な学習の時間の導入により、言語活動の重視がさけばれている。
これを、「ことばで伝え合う喜びを実感できる活動」を国語科から発信できるいいチャンスと捉えたい。体験や創造がふんだんに行える総合との相互作用をうまくかみ合わせていくことが生きた言語教育につながっていくのではないかと思う。

(2)活動の流れ
「書く」ことを大事にして発表につなげる単元であること、総合的な学習の時間に収集した情報を活用する学習であること等、学習のねらいや流れを説明し、「書く力」のポイント(発想や認識・事柄や意見・構成・記述・推敲・評価)を指導した上で次のような学習活動を組んだ。
・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)