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2004.10 October |
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| 特集 焦点絞った「読むこと」の指導 〜力がつき成就感の得られる授業 |
| 【実践提案】 |
私の「読むこと」の指導 |
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| (1) |
小学校で学んだ作品を再教材に 〜描写に着目して |
渡邊洋子 |
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一 はじめに
「少年の日の思い出」は教材として多くの魅力を持った作品である。構成に注目して読み深める、描写に注目して、あるいは、語りに注目して読み深める。そうした読み深めに対しても十分耐えうる作品であると感じる。しかし、初めてこの作品を教室で取り上げるとき、生徒はいくつかのハードルを感じることが多い。言葉遣いが難しいこと、この少年のように何か一つのことに熱中した経験を持つ生徒が少ないこと、まして昆虫採集に夢中になった経験をもつ生徒はわずかであること、自分から離れた遠い外国での出来事のように感じることが主な原因であると考えられる。しかし、後半を読むにしたがい引きつけられ、ともに冷たい気持ちにふるえ、工ーミールを許せなくなる。「そして、ちょうを一つ一つ取り出し、指で押しつぶしてしまった。」まで読むと、ほとんどの生徒は黙ってしまう。この作品の力を生かして今回は描写に着目し、小学校で学習した作品を導入で使うことによりハードルを低くし、子供たちの読みを深めていきたいと考えた。
二 「スイミー」「大造じいさんとガン」から「少年の日の思い出」に入った理由
「少年の日の思い出」は「窓の外には色あせた湖が、丘の多い岸にするどくふちどられ遠くかなたまで広がっていた。」という文に象徴されるように情景描写・自然描写・心情描写の優れた作品である。それらの描写表現に気づき、一つ一つ丁寧にイメージしていくことで、「僕」にとって蝶集めがどれほどかけがえのないことだったか読み手は直に感じ味わうことができるようになる。そして、描写表現に注目して読むことによって、なぜ自分の持っている大切な蝶を全部つぶさなくてはならなくなったのか、その苦しみを自分のことのようにとらえることができる。
描写表現ではその描写の技術を学ぶことだけでなく文章の展開全体と大きく関わっていることを学ばせたい。何よりも大切にしていた蝶を握りつぶさなければならなかった「僕」の気持ちをより深く受け止めるためには、どれほど激しく「僕」が蝶集めのとりこになっていたか、その時の気持ちをより深く味わう必要がある。そういう場面で使われるのが描写表現だということ、だから丁寧に読みたいのだということを学ばせたい。
この学習のために、生徒にとってややハードルが高いとわかっている「少年の日の思い出」だけを使って学習することは望ましくないと考えたのである。そこで、生徒がかつて学習した文学作品にあたっていった。描写が際だっている作品はいくつか挙げられたが、構成上、結末に至る流れの中で、ここにこの描写表現がなくてはならないと、読めばすぐ理解できる作品を使いたいと考えた。そこで「スイミー」と「大造じいさんとガン」を選ぶこととなった。
仲間を一匹残らず飲み込まれ、どん底に落とされたスイミーが、否定的な周りを励まし、自分が大きな魚の目になってついには他の魚を追い出すことができた、ここまで力をとり戻したその原動力は何から得たのか。その大切な部分をそのまま味わって欲しいから「にじ色のゼリーのようなくらげ」など、描写表現で描かれている。「スイミー」であれば既習の教材であり、一読してそのことを摘
むことができ、しかも生徒は大好きで今でも忘れられない作品である。
「大造じいさんとガン」では残雪が、逃げ遅れたおとりのガンを救うためにハヤブサと闘う場面の描写表現を取り上げることにした。
文章全体にとって描写表現の役割が大きいことを理解した上で、だから描写表現をあえて取り上げるのだ、できるだけその言葉に沿って丁寧にイメージしていくことが、だから大切なのだということを「スイミー」と「大造じいさんとガン」を使って実感して欲しいと考えた。
三 学習指導要領での位置づけ
描写に関わる目標は以下のようになっている。
小学校
一・二年 Cウ「場面の様子などについて、想像を広げながら読むこと。」
三・四年 Cウ「場面の移り変わりや情景を、叙述を基に想像しながら読むこと。」
五・六年 Cウ「登場人物の心情や場面についての描写など、優れた叙述を味わいながら読むこと。」
中学校
一年 Cア「文脈の中における語句の意味を正確にとらえ理解すること。」
一年 言語事項【1】ウ「事象や行為などを表す多様な語句について理解を深めるとともに、話や文章の中の語彙について関心を持つこと」
二・三年 Cウ「表現の仕方や文章の特徴に注意して読むこと。」
これらの目標を基に、小学校五・六年の復習となり、中学校二・三年の目標にスムーズにつながる学習として位置づけた。
・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)
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