2005.1 January
特集 国語科を生かす総合的な学習
【実践校紹介】  国語科との関連を図った総合的な学習
(1)  教科と総合的な学習の時間がかかわり合う学び
静岡大学教育学部附属浜松中学校国語科
はじめに

 「なぜ学校へ行かねばならないのか」「なぜ学ぶ必要があるのか」「学校とはどんな場なのか」という問いに、子どもはもとより、大人も明確に答えられなくなってきている。
 学校は子どもが成長する場である。学校で学ぶことは意味があり、自分や社会の未来に欠かせないものである。この当たり前のことを生徒、保護者、教師、地域・社会の方々みんなで実感・共感しあえる学校をつくりたい。そして、みんなが未来に夢や希望をもてるような学校をつくりたい。これが、研究スタートに当たり、私たちが願ったことである。
 学校での学びが教科ごとに分化・専門化され、それぞれの必要性や価値が見えにくくなってきたと言われて久しい。現在、各校で定着しつつある総合的な学習の時間は、このような現状打破の要請に大きく応えうるものであろう。
 総含的な学習の時間も含め、学校での様々な学びを有機的につなぎ機能させることをめざして、本校では以下のような実践をしている。

一 三年間の学習構想

 本校では、各教科やライフタイム(総合的な学習の時間)でめざすものを明らかにし、三年間の系統的な指導ができるように、教科では「学習のくくり」、ライフタイムでは「調査・探究活動」を構想している。まず、三年間の学びの共通テーマ「かかわり合いとつながりの中で、21世紀を共によりよく生きる自分とは」を生徒に示している。これを受け、各教科ガイダンスやライフタイムガイダンスにおいて「各教科三年聞のねらい」「ライフタイム三年間の共通テーマ」を示している。
 さらに、教科やライフタイムでめざすものを、三年間の系統的な学習の中で指導ができるように「学習のくくり」「調査・探究活動」には「学習構想表」がある。
 学習構想表では、まず「学習のく<り」や「調査・探究活動」でめざす生徒の姿を明らかにしている。これは、教科やライフタイムでねらう本質的な価値に気づいている姿や、様々な知識、技能などを身につけ、物事を深く思考・判断している姿、自己や他者や社会に対して能動的に働きかけていく意志や実行力が表れている姿、などである。そのうえで、「ガイダンス」「つかむ学習」「追究する学習」「つなげる学習」でめざす生徒の姿を明らかにし、学習を構想している。その際に、ライフタイムはもちろん、各教科の学習においても、学んだことが自分の未来とつながったり、他者や社会とつながったりすることが感じられるように学習内容、学習材、指導過程などを構想している。

二 三つの活動(力をつける・力を生かす・力を認める)の組織化

 生徒は本来、いろいろな力をつけたい、力を自他のために生かしたい、力を認められたいと願っている。そこで、「力をつける」「力を生かす」「力を認める」という三つの活動を必修教科・選択教科・総合的な学習の時間で意図的に組織し、充実させ、作用し合わせれば、継続的な活動や努力への意欲が芽生え、生徒の成長を促すのではないかと考えた。
力をつける活動
 力を習得していく活動である。そこには継続的な活動や努力が必要であり、それを繰り返すことによって、定着していく。
力を生かす活動
 ある目的のために、主体的に力を発揮する活動である。習熟のために練習をしていくことではなく、自他のために、複合的に力を発揮したり、協同で力を合わせて発揮したりして、課題を解決していくことなどである。
力を認める活動
 一つは、今の自他の力を評価する活動である。今、自分に何ができて、何ができないのかを確かめることや、他の力の存在に気づくことである。これは、課題意識にもつながる。もう一つは、自他の成長を感じて評価する活動である。自他の学びの過程や結果を問い直したり、振り返ったりすることで、自他の成長を感じて評価することである。

 力を生かすことは、力の定着を促すだけでなく、力をつけることの必要性を感じることにつながる。また、力を認め、認められることは、視野を広げ、多様な価値に気づかせることになる。さらに、様々な学習活動相互のつながりやかかわりにも目を向けることとなるのである。

三 教科と総合的な学習の時間の位置づけ

 バランスのとれた成長のためには、専門的な知識、技能、見方・考え方・感じ方などの力を深めることと、様々なことがらをつながりの中でとらえることができるようになることが重要である。また、社会生活に必要な力を身につけるとともに個性を伸ばしていくことも重要である。そのために、「必修教科」と「選択教科」と「総合的な学習の時間」を、生徒の成長に伴って学年ごとに、図のように位置づけた。
・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)