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2006.04 April |
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| 特集 いま問われる協働的国語科経営 |
| 【特別寄稿】(1) |
いま求められている教育課程経営
〜国語科経営の新しい視点 |
山口 満 |
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次期学習指導要領の改訂をめぐる動向
周知のように、現行の中学校学習指導要領は、平成10年12月に公示され、14年4月から実施された。高校については、平成15年3月に公示され、15年4月の入学者から適用されている。新しい指導要領の全面実施から中学校については4年、高校については3年が過ぎようとしている。
それにもかかわらず、早くも、次期学習指導要領の改訂をめぐる動きが活発化している。すなわち、平成13年4月に中教審の中に初等中等教育の教育課程に関する重要事項を調査審議するために「教育課程部会」が常設化して設けられ、16年3月以降には「国語」「算数・数学」「理科」「外国語」「豊かな心をはぐくむ教育」等に関する「専門部会」が設けられている。平成18年1月現在、各教科等に関する専門部会のこれまでの審議の結果が教育課程部会に報告されており、その報告を受けて教育課程専門部会が次期改訂の基本方針をまとめるという段階にきている。まとめの発表を待って各教科等の専門部会で具体的な内容の検討が行われ、平成18年度または19年度には指導要領の改訂が告示されることになっている。
次期改訂の主要な課題として、平成17年10月に発表された中教審答申「新しい時代の義務教育を創造する」には、①義務教育の目標を明確にするため、各教科の到達目標を明確に示すこと、②総合的な学習の時間について、授業時数や具体的なあり方を見直すこと、③発展的な学習や補充的な学習など、個に応じた指導を積極的に行うことなどが挙げられている。国語力の充実、理数教育の充実、情報リテラシーを高める教育の充実ということが重要な課題として指摘されていることも、見逃すことができない点である。
周知のように、近年、「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2003)」や「OECD生徒の学習到達度調査(PISA2003)」によって我が国の生徒の学力や学びへの意欲の実態には深刻な問題点が見られることが明らかにされてきている。早い時期での、先に述べたような課題意識に立つ次期指導要領の改訂への着手には、そうした問題状況の克服を早期に図ることが我が国における教育改革の最重要課題であるとする国の方針が反映されている。
それぞれの学校は、こうしたいわば国家的な教育課題を自校の実践的な課題として受け止め、生徒の学力や学びの実態を明らかにし、その向上と改善を図るための取組みを展開しなければならない。とりわけ義務教育の修了時の到達目標にたどり着くまでの道筋を明らかにし、教育課程・指導計画の編成に具体化することが重要な課題になる。その際、組織としての学校の責任者である校長のリーダーシップのもとに教職員全員が力を合わせて、協働的に取り組むことが必要である。さらに、その成果を検証して、保護者や地域の人々に説明することが求められている。
やや形式化し、硬直化した観のある教育課程の経営やその一環としての教科の経営もまたそうした観点から見直され、改善されなければならない。いま日本の学校が直面している重要な教育課題の解決に取り組むのにふさわしい仕組みと内容をもつものに変えられなければならない。
以下では、そうした要件を満たす教育課程経営のあり方について、①学校におけるカリキュラム開発のための仕組みや方法の確立を図ること、②学校教育全体の中で教科等の教育を位置づけること、③目標を明確化し、結果についての説明責任を果たすこと、④カリキュラム開発者としての教師の専門的力量の形成を図ることという四つの課題を取り上げ、順次考察する。国語科経営改善のための新しい視点を探るという課題を視野に入れた考察を試みたい。
カリキュラム開発のシステムを開発する
学校におけるカリキュラム開発には、(1)どのような内容のカリキュラムを編成し、実施するかという問題と、(2)そのカリキュラムをどのような組織や手続きで編成し、実施し、評価・改善するかという二つの問題が含まれている。両者は当然密接に関連している。例えば教育目標→教科内容→教材→授業→評価→指導計画の改善というような目標分析的なアプローチがとられる場合には、カリキュラムは教師の授業目標に枠づけられた、学習の結果を重視する知識内容中心のものになりやすい。一方、生徒のニーズをできるだけ取り入れ、授業での学習の進展に応じて柔軟に指導内容を変えていくというアフローチがとられる場合には、考え方や学び方を重視し、生徒の学習の姿に即して教育内容を構成するというプロセス・オリエンテッドなカリキュラムが目指されることになる。
我が国の教育研究の歴史を振り返ってみてすぐに気づくことは、その歩みにはカリキュラム開発のための組織や手続き、すなわちシステムを開発するという発想がきわめて乏しく、カリキュラム開発の方法論の研究に著しい立ち遅れが見られたということである。教育内容に関する国家的な規制が厳しく、学校における教育研究が何を、なぜ教えるかということよりも、決められた教育内容をいかに効率よく教えるかという問題を中心にして展開されてきたという事情がその背景になっている。
・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)
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