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2006.07 July |
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| 特集 国語科はどこに向かうのか 〜中教審の議論から見えること |
| 【特別寄稿】 |
言葉、国語力の重視の教育課程 〜中教審で何が議論されているか |
田中孝一 |
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一 はじめに
中央教育審議会(以下、中教審)は、平成18年春までに、初等中等教育について、各分科会、各部会等において、次のような、実に幅広い、多様な課題について審議を進めてきている。
○義務教育の制度の在り方 ○国と地方との関係の在り方 ○学校、教育委員会の在り方 ○義務教育にかかる費用負担の在り方 ○教員養成における専門職大学院の在り方、教員免許更新制 ○特別支援教育の在り方 ○学習指導要領の在り方
本稿では、このような審議・検討の流れをにらみつつ、主に、平成17年10月26日の中央教育審議会答申(以下、義務教育答申)及び平成18年2月13日の同教育課程部会審議経過報告を中心に取り上げ、この間、中教審でどのような議論がなされたのか、その中で、国語力の育成、国語科の改善等についてはどのような流れにあるのかなど、国語科をめぐる状況について報告し、加えて、いささかの考えを述べる。
二 義務教育の構造改革 〜 義務教育答申
1 答申の概要
中教審は、平成17年2月15日に、中山文部科学大臣(当時)から審議要請を受け、それまでの審議の枠組みを再構成して、義務教育の改革に関して総合的に審議するため、義務教育特別部会を設け、集中的に審議を進めた。その成果は、答申「新しい時代の義務教育を創造する」(義務教育答申)としてとりまとめられた。
この義務教育答申では、今こそ、「義務教育の構造改革」が必要であるとして、その実現のために、国の責務として、義務教育の根幹である機会均等、教育の水準確保、無償制を保障することを国に求めた。その上で、義務教育の改革の目標として、学校の教育力(「学校力」、「教師力」)を強化することを通して、子どもたちの「人間力」を豊かに育てることを挙げた。(ここで言う「人間力」とは、生きる力を社会の側から見た場合の力であるとしている。)
加えて、それを実現するためには、義務教育の質を保証する構造にすべきとして、次のように、義務教育システムへの改革を提案している。
① 目標設定とその実現のための基盤整備を国の責任で行った上で、(確実な基盤整備‥インプット)
② 市区町村・学校の権限と責任を拡大する分権改革を進めるとともに、(分権改革‥プロセス)
③ 教育結果の検証を国の責任で行う。(結果を検証‥アウトカム)
次いで、そのための国家戦略として、次の四つを挙げている。
① 義務教育の使命の明確化及び教育内容の改善
② 教師の質の向上
③ 学校・教育委員会の改革
④ 確固とした教育条件の整備
このうち、戦略①では次の点について提案している。
○義務教育の使命の明確化
・「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」のバランスのとれた育成
・義務教育の内容・水準の保障
・学校・家庭・地域の連携と適切な役割分担
○教育内容の改善
・学習指導要領の見直し
・学習到達度・理解度の把握のための全国的な学力調査の実施
・義務教育に関する制度の見直し
これらは、いずれも、これからの義務教育の内容と質を大きく方向付けるものである。中でも、「教育内容の改善」において、「基本的な理念・目標」として、基礎的な知識・技能の育成(いわゆる習得型の教育)と自ら学び自ら考える力の育成(いわゆる探究型の教育)とは対立的あるいは二者択一的にとらえるのではなく、双方を総合的に育成することの必要性を強調していることは注目してよい。その上で、基礎的な知識・技能を徹底して身に付けさせ、それを活用しながら自ら学び自ら考える力などの「確かな学力」を育てていくという基本的な考え方は今後とも重要であるとしている。
2 国語力の育成
前項の「学習指導要領の見直し」では、様々な改善が提案されている。中でも、国語科の側からは、次の五点が直接に今後関係してくると考えられる。
○各教科の到達目標の明確化
○国語力の育成
○小学校段階における英語教育の充実
○総合的な学習の時間の重要性を踏まえた改善や支援策の充実
○学校図書館、読書活動の充実
このうち、「各教科の到達目標の明確化」は、各教科において身に付けるべき能力を明確にし、それを、学習指導要領レベルで「到達目標」として明示しようということである。国語科の場合、教科としての性格上、どのような言語能力をどの程度育成するかということが大きな課題となりうる。この場合、小学校から高等学校に至る国語科の内容の系統性、体系性が一層問われることになる。したがって、国語科に対しては、その「到達目標」を実現する仕掛けと内容を持った学習指導要領の必要性が強く望まれることになる。
・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)
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