2006.10 October
特集 生徒をとらえる古典の授業
【教室からの提案】  「音読・視写」を大切に 小木恵子

一 シンプルな授業パターンで

 中学校に入学したばかりの一年生は、古典の学習に対して大きな期待を抱いている。
 しかし、学年が上がるにつれて、古典を苦手とする生徒が増加する傾向がある。苦手だという理由として、現代とは違った言葉遣いや語彙、そして文法などに対して抵抗があることが挙げられる。
 では、限られた時間の中で生徒をとらえ、古典への抵抗を払拭するような授業はどのように進めていけばよいのだろうか。
 生徒たちの興味関心を引き出すために、様々な工夫を施した実践も多数見られるが、私は、「音読・視写」を中心としたシンプルな授業がよいと考えている。生徒にもわかりやすい授業の展開を繰り返す中で、「わかった」「できた」という達成感を味わわせ、十分に基礎的な力をつけることが、「楽しさ」に繋がると考えるからである。次は、私の基本的な授業パターンである。
第一時 導入
範読→音読練習
第二時 視写
原文→(歴史的仮名遣い)
→現代語訳
第三時 音読練習
基礎知識
発問を中心とした内容の読み取り
小テスト(5分程度のもの)の予告
※昼休みなどを利用して、冒頭部分の暗唱テスト
 この授業パターンの良いところは、教材文ごとにメリハリのあるパターンを繰り返すので、生徒たちは次に何を学習するのかが、よくわかるところである。そして、絶対におさえて欲しい基礎事項のみの小テストなども小刻みに行うため、家庭学習や授業にも集中して取り組む生徒が格段に増えることだ。

二 音読練習は楽しく、たっぷりと

 私は日常、古典に限らず音読を重視している。音読を繰り返すことで、内容の理解が深まるなど大きな利点が多々あるからだ。特に、古典に関しては、独特のリズムを体感できるとともに、読めば読むほど、全くわからなかった内容も理解できるようになる。さらに、スラスラと古典が読めることで、「できた」という充実感が味わえ、自信をもたせることができるのだ。
 ただし、ただ音読するだけでは生徒たちも飽きてしまう。様々なパターンで小刻みな指示を与えながら、楽しくたっぷりと音読練習をさせることが大切である。いつも私が行っている音読練習は次である。
・範読→追い読み(読む早さを変えながら)→・男女交代などで一斉読み→ペア読み(読みの誤りを互いに確認しあうよう指示)→・個人練習(「一度もつっかからなくなるまで」、「暗唱できるまで」などの指示)
 音読練習で大切なことは、身体的な理由がある生徒以外、全員に大きな声を出させることである。声がなかなか出ない生徒への指導は、机間巡視で「もっと大きな声で」と声かけをしたり、良い音読をする生徒を褒めることでほぼ声が出るようになるのだが、もっと効果的な方法がある。それは、追い読みのときに早口言葉のように読ませることだ。一通り、スラスラと読めるようになったら、教師が句読点のあるところまでとにかく早く読む。生徒からは「え〜っ」という言葉と共に、笑いの声で教室はいっぱいになる。かまないように、なんとか早く読もうと必死で読む生徒たちだが、なかなか難しい。そこで、かまないで読むためには、たっぷりと息を吸い、大きな口を開けることがコツだということを伝える。そうすると、自然と大きな声が出るようになる。その後は逆に、ゆっくりと読む、気持ちを込めて読むなど工夫すると、追い読みは笑いで溢れた楽しいものとなり、その後の音読の声も自然と大きくなるのだ。

・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)