2008.01 January
特集 文学でつける学力を問う
【私の国語教室】  私は文学をこのように扱う
 (1)感じたい想い、伝えたい感動
富田泰仁 岐阜市立陽南中学校

一 はじめに

文学作品を学習材として扱う場合、私自身指導において次の二点を心がけている。

  1. 作品の読み取りを通して様々な価値観や考え方を知り、視野を広げることができるようにすること。
  2. 作者の言葉の使い方や表現の工夫を知り、言葉のもつ魅力を感じることができるようにすること。

その中でも、外国の文学作品から学べることは多いと感じている。なぜなら私たちは登場人物の言動を通して、その国の文化や考え方を背景にした価値観や考え方を学ぶことができるからである。

例えば「故郷」(光村三年)では、革命後の混乱期の中国の荒廃の中で生き抜く人々の姿を。「ゼブラ」(光村二年)では、ベトナム戦争で被害に遭いながらもそれを乗り越えて生きようとする登場人物の姿を知ることができる。またこれらは翻訳作品であり、別の言語で書かれた作品が訳者によって言葉を選び抜かれて書かれている。だからこそ、より言葉一つ一つの意味を味わうことができる。

そこで今回は、言葉にこだわって自分の読みを伝え合う活動を通して、「想像力」「思考力」を育てながら読書への興味・関心を高めることをめざし、実践を行った。

二 単元の概要

  1. 単元名「感じたいあなたの想い、伝えたい私の感動」
  2. 単元の目標
    (1) 自分の伝えたいことを、言葉を根拠として筋道やわかりやすさを工夫して伝えようとする。(関心・意欲・態度)
    (2) 自分の伝えたいことを、相手に理解してもらえるように筋道を意識したり、仲間の意見を生かしたりしながら話すことができる。(話すこと・聞くこと↓思考力)
    (3) 根拠を大切にし、構成を考えながら自分の考えをまとめて書くことができる。(書くこと↓思考力)
    (4) 言葉の辞書上の意味だけでなく、その言葉のイメージや書き手の意図を感じ取り、読み取ることができる。(読むこと↓想像力・思考力)
    (5) 言葉にこだわるために、一語一語の言葉の意味を確実に理解することができる。(言語事項)
  3. 指導計画(十四時間扱い)
    第一次:作品の魅力を伝え合うために、読みを深める学習を通して、自分の読書の幅や輪を広げる単元であることを確認する。(二時間)
    第二次:作品の主題を考えながら、六つの場面を、次の場面の内容を予想しながら読み深めていく。(八時間)
    第三次:読み取ってきたことをまとめ、作品の魅力や感想を、キーワードを用いてプレゼンテーションで伝え合い、紹介された作品を読んでみる。(四時間)

三 実 践

「少年の日の思い出」(光村一年)を学習材に、「作品の魅力をプレゼンテーションで伝え合う活動を通して読書の幅を広げること」を出口とした。そのために「言葉にこだわって自分の考えを広め、深める読み取り」ができるようにすることを意識した。それによって一人ひとりが言葉の魅力を感じ、自分の意見に自信をもって伝え合うことができる力の育成をめざした。そのために四つの手立てを用いた。



・・・・・・(以下、本誌をご覧ください)