2009.11 NOVEMBER
特集 生徒主役の指導案―「言葉の力」を育てる
【基調論文】   
コミュニケーションを可能にする中核的な問い 松本 修(上越教育大学教職大学院教授)

一 学習指導要領改訂と読みの交流

二〇〇八年三月に告示された小学校・中学校の学習指導要領及び二〇〇九年三月に告示された高等学校学習指導要領においては、「知識・技能の活用を図る学習活動を充実させる」ために、その「基盤となる言語に関する能力を育成」することが求められ、「記録、要約、説明、論述といった学習活動に取り組む必要がある」としている(『小学校学習指導要領解説総則編』文部科学省 二〇〇八・八 第1章総説 改訂の経緯〈国語編や中学校でも同じ。高等学校でも基本的には同じ〉)。

こうした学習活動は、単に要約したり説明したりという個別の学習活動であることを想定していない。むしろ学習活動そのもののコミュニカティブなものへの転換が求められており、実際に学習指導要領およびその解説では、各教科において、話し合いや交流の学習が求められている。裏側には、PISAの学力観の影響がある。国語科においては、読むことや書くことの学習においても交流が重視されており、読みの交流については、たとえば次のように記述されている。


・小学校中学年の読むことの指導事項(『解説』六二頁)
オ  文章を読んで考えたことを発表し合い、一人一人の感じ方について違いのあることに気付くこと。
・小学校高学年の読むことの指導事項(『解説』八七頁)
オ  本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること。
・中学校第2学年の読むことの言語活動例(『解説』五七頁)



(以下、本誌をご覧ください)