2010.02 FEBRUARY
特集 国語科授業にもの申す
【他教科からの提言】(1)
数学教育における言語活動
立花正男(岩手大学教育学部准教授)

一 言語活動の充実

今回学習指導要領の改訂で言語活動の充実が強調され、どの教科でも言語活動を進めることが求められている。我々は、言語によって物事を理解している。言語活動をしない学習活動というものはあり得ないものである。従って、その言語活動が各教科で充実するのはごく当然のことであると考えるが、学校では、言語活動は国語の専売特許のようにとらえる傾向がある。このこと自体が今の教育の弱点であることを、今回の学習指導要領では警鐘をならして、その改善を求めているものと考える。

言語活動における国語教育の重要性は否定できないが、これからは数学教育においても言語活動について真剣に考えていくことが必要である。しかし、「数学教育において言語活動を充実する」と言われて、「その言葉自体は理解しているが、それでは実際に何をするのかというと実ははっきりしていない」など、「数学教育における言語活動とは何か」と言われて、返答に困るという現実もある。このような状態では、言語活動への取り組みが絵に描いた餅になりかねない。「よい結果を得る方法には仕掛けがいる」、「結果は何もないところから手品のようには出てこない」、「愚行とは、全く同じことをしていながら、違う結果を期待すること」などと言われるように、良い結果を得るためには、それなりの覚悟と取り組みが必要である。このことを肝に銘じ、数学教育においてもしっかり言語活動に取り組む方略を考えることが大切であると感じている。


二 数学教育における言語活動

思考力・判断力・表現力の育成は今回の指導要領の改訂で言語活動の充実とともに強調されている。これは、




(以下、本誌をご覧ください)