2010.04 APRIL
特集 全教科を支える国語科
【基調論文】
課題探究能力としての言語力
藤森裕治(信州大学教育学部教授)

1 新学習指導要領が求める言語力

新学習指導要領における言語力とは、言語力育成協力者会議(2007年8月)で次のように定義された能力である。

知識と経験、倫理的思考、感性・情緒等を基盤として、自らの考えを深め、他者とコミュニケーションを行うために言語を運用するのに必要な能力

新学習指導要領の記述をもとに、右の定義をもう少し詳しく述べると、次の諸能力で構成された「ことばの力」である。

  • 問題や課題に応じて必要な情報をきちんと集め、処理する能力
  • 確かな根拠に基づいて情報の意味を解釈・吟味したり、豊かな情緒や感性で対象の価値をとらえたりする能力
  • 自分の考えや思いを効果的に述べたり、計画的に話し合ったりする能力

新学習指導要領では、言語力を全教科で育成することとしている。そのイメージはさまざまな教科が四方八方に枝葉を広げながら、幹となる「ことばの力」をたくましく育てる姿である。そしてその幹が根本から育てる役割を負った教科こそ、国語科に他ならない。このような自覚のもとに言語力育成の基本的な枠組みを展望することが、新時代の国語科に求められている。

ここで、各教科で育てるべき言語力をいくつか見てみよう。




(以下、本誌をご覧ください)