2010.05 MAY
特集 徹底検証、様々な読みの指導―「一読法」「三読法」それから…
【基調論文】
メタ批評としての読み
丹藤博文(愛知教育大学教授)

1 「批評」と国語教育

今、読みの指導において注目されているのは「批評」であろう。中学校と高等学校の新学習指導要領には、それぞれ「物語や小説などを読んで批評すること」(「第3学年 C読むこと」(2)―ア)「様々な文章を読み比べ、内容や表現の仕方について、感想を述べたり批評する文章を書いたりすること」(「国語総合」「読むこと(2)―エ)[傍点筆者]とある。今回の指導要領に「批評」の語が取り上げられた背景には、周知のように「PISA型読解力」の影響がある。書かれていることを「読解」するだけでなく、「思考力・判断力・表現力等」へと展開することが肝要だと考えられるようになった。「批評」には、そのような非認知的能力の涵養という象徴的な意味が込められていると言ってよいだろう。

読みの授業において「批評」が意識化され具体化されること自体歓迎したいけれども、「批評」はなにも最近になって急浮上したものでもなければ、舶来のものでもない。むしろ、「批評」は国語教育において追及されてきた重要なテーマであることは協調しておく必要がある。




(以下、本誌をご覧ください)