2010.11 NOVEMBER
特集 音声言語指導の授業仕分け
【教室からの発言】私が言いたい音読・朗読の問題点
(1) 説明文を的確に読み取る音読指導
平野忠博(熊本県菊池市立菊池南中学校)

一 はじめに

平成一六年二月に出された文化審議会答申『これからの時代に求められる国語力について』では、音読について次のように述べている。

音読によって、国語力や独創力とかかわる脳の場所が特に活性化するという脳科学の知見もあることから、積極的に音読を取り入れていくことが大切である。また、音読することによって、漢字の読みを覚えたり、文章の内容を確実に理解したりできる。

小学校では、様々な種類の文章でいろいろな方法や工夫を行いながら、音読や朗読の学習を継続的に行っている。中学校では、これを踏まえて学習しているのだが、「意欲的に音読する生徒が少ない。」「理解と表現が一体となった音読は難しい。」という声が研究会などで聞かれる。小学校で培われた音読や朗読の力が、中学校で十分に発揮できていない生徒の実態があるのである。

その原因として、次の三点が考えられる。一点目は、音読のよき習慣の定着が不足していることである。二点目は、文章の種類によって音読学習の取組に違いがあることである。韻文や古典では音読学習に力を入れるが、説明的文章では通読のために音読を一回する程度ということが多い。三点目は、指導法の工夫が不十分なことである。理解したことを表現するための音読指導と比較すると、的確に理解するための音読指導の工夫は少ない。

ここでは、以上の三点を解決するために取り組んだ実践を報告する。

二 音読の習慣を定着させる取組

音読は継続的に取り組むことで、「正確明瞭な読み方」「文章を音声によって伝える力」「的確に読み取る力」などを向上させる。そこで授業では、全員が音読する場面や範読を努めて取り入れるようにしている。個人、ペア、班、一斉と様々な形態や方法で取り組む。しかし、授業は週三回、音読ばかりとはいかない。生徒が音読に主体的に取り組む習慣を身に付けることが必要である。

1 授業開きで学習の動機付け



(以下、本誌をご覧ください)