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政治を学ぶための基礎知識
論点 日本の政治

編著/監修
吉野 孝
谷藤 悦史
今村 浩
体裁
B5判  256ページ
定価
2,860 円(消費税込み)
本体価格+税
2,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-6309-1
C3031 \2600E
発行日
平成27年9月25日
内容現在
平成27年8月20日
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本書の特長

  • 『論点日本国憲法』に続く、『論点』シリーズ第2弾!
  • 学生に必須の基本的原理から先生も勉強になる専門知識までを網羅しています。政治の基礎を12章・122テーマに集約しました。『論点』シリーズの特徴である“1テーマにつき見開き2ページ構成”ですので、大学の教養課程における政治学の教科書・参考図書、専門課程における政治学・国際政治学などの参考図書として最適です。
  • また、「教育現場で活用できる」という視点で編集してありますので、高校公民科・中学公民の授業で使えるネタも豊富です。

はしがき

本書は,日本政治の新しいタイプの教科書である。これまでの日本政治の典型的な教科書は,例えば,概論,憲法,選挙,政党,国会,官僚,利益団体,メディアなどの章から構成され,各章ではその領域の専門家がまずある種の問題提起をした後,制度の歴史と運用,アクターの活動と特徴,最新動向,問題点などを説明し,最後に参考文献を挙げるという書き方が一般的であった。しかし,この書き方にはプラスとマイナスの両面がある。

プラスの側面は,筆者の視点がその章を通じて一貫しており,各章はコンパクトにまとめられ,読者は全体像を理解しやすい,という点である。マイナスの側面は,筆者の関心事に力点が置かれ,一部の側面だけが強調される結果,読者は知りたい情報を得ることができるとは限らない,という点である。また,第2次世界大戦後すでに70年が経ようとし,日本政治を考える上で重要な様々な事件や事例が起こっているにもかかわらず,従来型の教科書では,構成とスペースの関係上それらを網羅的に記述することはできない。もし主要な事件や事例をすべて挙げるとすれば,それは教科書ではなく,日本政治用語集または日本政治事典になってしまう。

こうした点を考慮して,本書は,12章(分野)から構成されているものの,それぞれ内容において完結した122の独立テーマから構成されている。その結果,これまでの教科書ではできなかった複数の重要なテーマに焦点を合わせ,それぞれの専門家に特に最新動向と論点を中心に広く解説をしてもらうことが可能になった。また,第8章をこれまで日本政治の教科書ではあまり論じられることのなかった司法に充て,裁判員制度から司法試験とロースクール,ハーグ条約まで,今日話題となっているテーマを取り込んだ。読者には関心のあるテーマから読んでもらって構わない。そして,続けて特定の章全体を読んでもらうと,その分野における日本政治の最新動向と問題点の全体像が明確に分かる仕組みになっている。

さらに,テーマ間あるいは分野間の関係をよりよく理解してもらうために,参考マーク(→)を入れた。例えば,個人後援会は議員の世襲化(第2章)を促す要因であると同時に,中選挙区制のもとでの議員行動を決定づける要因である。この場合,中選挙区制(第9章)中の個人後援会という用語の後に(→52頁)と記した。これらの参考マークを活用すると,読者はときには異なる分野のテーマにまたがる重要な事件や事例,理念を関連づけて理解することが可能になる。

編著者を代表して  吉野 孝


目次

  • はしがき
  • 第1章 日本政治の歴史
      • 1 GHQ による民主化政策とは?−GHQ と日本の民主化
      • 2 紆余曲折を経て−日本国憲法制定の過程
      • 3 近代立憲主義の系譜のもとに−日本国憲法の特質
      • 4 日本人の政治観−世論調査から探る
      • 5 日本政治とコンセンサス−合意形成
      • 6 アジアの開発主義−アジアの政治経済イメージ
      • 7 日本のデモクラシー観−多様な民主主義のあり方
      • 8 日本人における“国”意識−国家観
  • 第2章 政治家・政党
      • 1 日本における政党の発達−55年体制前の諸政党
      • 2 有権者と政府を仲介−政党の機能
      • 3 何を政党と呼ぶのか?−日本における政党の法規制と定義
      • 4 誰が政治家になるのか?−政治家リクルートメント
      • 5 広がるマニフェスト−政党と政策
      • 6 政党システムと日本型政党システム−政党制
      • 7 「1と2分の1党制」−55年体制における政党制
      • 8 国によって異なる政権交代の性質−政権交代の比較
      • 9 自民党1党優位政党制か否か−日本の政権交代
      • 10 政策代替案を提示−野党の役割
      • 11 変わりゆく自民党−自由民主党
      • 12 一度失った信頼を取り戻せるか?−民主党
      • 13 模索される政界再編−55年体制以降の諸政党
      • 14 自民党の派閥とは?−政党と派閥
      • 15 なぜ世襲は多いのか?−世襲議員
  • 第3章 官僚
      • 1 天皇の官吏−日本における官僚の発達(戦前)
      • 2 GHQ による官僚改革−終戦と官僚(戦後)
      • 3 多すぎる公務員?−公務員の種類と数
      • 4 キャリアとノンキャリア−官僚の採用・昇進
      • 5 公務員はおいしい?−天下りの功罪
      • 6 官民交流−各国の官僚任用の仕組み
      • 7 幅広い業務を管掌−総務省
      • 8 かつては「省の中の省」−財務省
      • 9 日本外交の担い手−外務省
  • 第4章 利益団体
      • 1 利益団体とは?−日本における利益団体の発達
      • 2 功罪あわせもつ利益団体−利益団体の機能
      • 3 護送船団方式−保護と規制
      • 4 緩和も善し悪し−規制緩和と規制改革
      • 5 本系列と別系列−利益団体の発達と変容
      • 6 岐路に立つ経団連−日本経済団体連合会
      • 7 労組の寄り合い所帯?−日本労働組合総連合会(連合)
      • 8 改革されるJA−農業協同組合(JA農協)
      • 9 役割が増大するサード・セクター−利益団体の新しいカテゴリー
  • 第5章 世論とマスメディア
      • 1 日本におけるマスメディアの発達−マスメディアの歴史
      • 2 政治コミュニケーションの発達と現代的特性−メディアと政治
      • 3 「輿論」から「世論」へ−現代「世論」の特性と課題
      • 4 日本における世論調査の発達とその影響−世論調査
      • 5 家庭に1部は過去の話−新聞とその社会的影響
      • 6 テレビ政治から多元化へ−放送とその政治的影響
      • 7 ネット選挙の光と影−インターネット選挙運動
  • 第6章 立法
      • 1 日本における議会政治の発達−翼賛機関から国権の最高機関へ
      • 2 「国権の最高機関」の実態は?−国会の機能と役割
      • 3 2院制が問いかけるもの−衆議院と参議院
      • 4 「ねじれ国会」の状況とその影響−「ねじれ国会」
      • 5 法案をつくるのは誰か?−内閣提出法案
      • 6 主戦場は「委員会」−国会審議手続き
      • 7 問題の多い事前審査制−与党の事前審査
      • 8 国会議員が法案を提出するには?−議員立法
      • 9 国政をどうチェックするか−行政の監視
  • 第7章 行政
      • 1 日本における行政機構の発達−行政機構
      • 2 行政権の最高機関−内閣総理大臣(首相)と内閣権限
      • 3 「小さな政府」と「大きな政府」−政府の規模
      • 4 国益よりも省益が優先?−縦割り行政
      • 5 時代へのフィッティング−行政改革
      • 6 やっぱり強いのは官僚?−政官関係
      • 7 New Public Management とその後−NPM
      • 8 国の機関?民間の機関?−特殊法人・独立行政法人
      • 9 「行政の責任を考える」−行政責任
      • 10 増える非伝統的金融政策−戦後日本の金融政策
      • 11 上り坂から下り坂へ−戦後日本の社会保障
      • 12 新規から修繕へ迫られる転換−戦後日本の公共事業
      • 13 原発事故後のエネルギー政策は?−戦後日本のエネルギー政策
  • 第8章 司法
      • 1 英米法と大陸法のハイブリッド?−日本における司法制度
      • 2 「顔のない裁判官」−裁判所と裁判官
      • 3 揺らぐ検察の“正義”−検察庁と検察官
      • 4 強制加入の弁護士会−弁護士
      • 5 身近な司法へ−司法制度改革
      • 6 裁判員制度の「光と影」−裁判員制度
      • 7 力の強い最高裁判所事務総局−裁判官人事と司法行政
      • 8 法律家をどう育てるか?−司法試験とロースクール
      • 9 捜査の適正化への遠い道のり−取調べの可視化問題
      • 10 更生を前提とした少年事件への対応−少年法
      • 11 女性の社会進出とともに−夫婦別姓問題
      • 12 子どもたちを守るために−ハーグ条約
  • 第9章 選挙
      • 1 「べからず選挙」−公職選挙法の成立と変更
      • 2 選挙権と被選挙権−18歳選挙権は何を示しているの?
      • 3 政府をつくる仕組み−小選挙区制と比例代表制
      • 4 中選挙区制が支えた自民長期政権−日本政治と中選挙区制
      • 5 上位2党へ収斂する傾向−小選挙区比例代表並立制
      • 6 落選者が当選する選挙制度?−重複立候補
      • 7 「きれいなカネ」を政党に−政党助成法
      • 8 現在進行形の選挙制度改革−定数是正と区割り
      • 9 「1人1票」の許容範囲−1票の格差問題
      • 10 Election Campaignsor Election Campaigning−選挙運動
      • 11 配慮か平等か?−過疎自治体と選挙
      • 12 有権者はどのように投票先を決めるのか−投票行動
      • 13 投票率はどのように決まるのか−投票率
      • 14 選挙はどう管理されているの?―選挙期日・投票時間・投票方法
      • 15 連帯責任が問われる犯罪−選挙違反と連座制
  • 第10章 地方政治
      • 1 中央集権か地方分権か−日本における地方自治の発達
      • 2 実態は中央集権型だった地方自治制度−地方自治法
      • 3 首長の力は強い?−首長の選出と役割
      • 4 地方議員はボランティアで?−地方議会の選出と役割
      • 5 地方の自立を目指して−地方分権一括法
      • 6 「協働」とは?−地方政治改革とその課題
      • 7 地方自治の理念から遠ざかった大合併−平成の大合併
      • 8 人口減少と直面−自治体財政問題
      • 9 模索される連携−広域行政と道州制構想
  • 第11章 外交
      • 1 GHQ と戦後日本の外交理念−占領期の外交
      • 2 焦点となったのは再軍備−サンフランシスコ講和条約
      • 3 敗戦国日本の選択−日米安全保障条約
      • 4 日米安保体制の変化−日米同盟の諸問題
      • 5 日本における米軍基地−在日米軍
      • 6 TPP とは何か−自由貿易協定(FTA)
      • 7 日本の東アジア(地域主義)外交−近隣外交
      • 8 東アジアの領土論争−領土問題
  • 第12章 防衛・安保
      • 1 戦後日本の防衛政策の理念−防衛政策
      • 2 自衛隊と PKO・災害支援−自衛隊
      • 3 これまでの安全保障の司令塔−国防会議と安全保障会議
      • 4 日本版 NSC−国家安全保障会議の新設
      • 5 インテリジェンスと特定秘密保護−国家機密
      • 6 問われる憲法との整合性−集団的自衛権とその解釈
      • 7 警察予備隊から自衛隊へ−防衛省
      • 8 危機管理と有事法制−安全保障の課題
  • 巻末資料−戦後の首相一覧
  • 索引
  • 編著者一覧

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