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文化庁第3回認定17ストーリー
日本遺産3
時をつなぐ歴史旅

編著/監修
日本遺産プロジェクト 編
体裁
A5判  128ページ
定価
1,760 円(消費税込み)
本体価格+税
1,600 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-3186-1
C0026 \1600E
発行日
平成30年12月15日
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日本遺産:
地域という文化資源の洗練

文化庁日本遺産審査委員会委員長

東京大学大学院教授

下村彰男

日本遺産の認定も3回を数え、新たな17 件を加えると全国で54 件となった。本書に掲載されているように、今回も多彩な顔ぶれが認定され、まだ地域や時代に若干の偏りがあるものの、日本の文化的な多様性が徐々に姿を見せてきた。

 

しかしながら、この日本遺産は一般にはまだまだ十分に知られておらず、来訪者はもとより、認定を受けた地域自身もどのように扱ってゆけばよいのか、戸惑いを感じているように見受けられる。

 

文化庁のホームページにも紹介されているように、日本遺産は、世界遺産や従来の文化財とはその考え方が異なっている。ある意味、新たな文化財保護への取り組み方と言え、その点をよく認識しておかないと、保護のあり方はもとより、来訪者にどのように提供すればよいのかにも影響してしまう。

 

価値については、個々の文化財等遺産単体の価値だけでなく、それらが複合することによる地域ならではのストーリーに価値を見いだすものであり、そのストーリーを地域の人々で共有することが重要となる。また、遺産の保護に関しても大切だからと人為を遠ざけるのではなく、遺産全体を地域ならではの生活様式や料理などとともに文化資源としてまちづくりや観光に活用し、そのことを通して遺産の保護を図りつつ、更に総体としてのストーリーを洗練させていくという循環型の保護であると言える。つまり活用を通して、それらの大切さや興味深さを再認識するとともに、遺産の持続的管理や更なる調査、周知等のための財源を確保して保護に結びつけるという、住民と来訪者による参加型の保護とも言える。

 

そして何より地域の主導が基本である。当初こそ国からの支援を受けるにしても、徐々に地域が自立し、来訪者の方々の共感と支援を得ながら、地域ならではの文化を磨いていく新たな仕組みとして更に発展してゆくことを期待したい。


目次

  •  
    • ● 巻頭言
    • ● 日本遺産とは何か?
    • 38 江差の五月は江戸にもない ―ニシンの繁栄が息づく町―
    • 39 荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間 〜北前船寄港地・船主集落〜
    • 40 サムライゆかりのシルク 日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ
    • 41 和装文化の足元を支え続ける 足袋蔵のまち行田
    • 42 忍びの里 伊賀・甲賀 ―リアル忍者を求めて―
    • 43 300年を紡ぐ絹が織り成す 丹後ちりめん回廊
    • 44 400年に渡る悠久の歴史を伝える「最古の国道」 〜竹内街道・横大路(大道)〜
    • 45 播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道 〜資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍〜
    • 46 絶景の宝庫 和歌の浦
    • 47 「最初の一滴」醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅
    • 48 日が沈む聖地出雲 〜神が創り出した地の夕日を巡る〜
    • 49 一輪の綿花から始まる倉敷物語 〜和と洋が織りなす繊維のまち〜
    • 50 きっと恋する六古窯 ―日本生まれ日本育ちのやきもの産地―
    • 51 森林鉄道から日本一のゆずロードへ ―ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化―
    • 52 関門“ノスタルジック” 海峡 〜時の停車場、近代化の記憶〜 
    • 53 米作り、二千年にわたる大地の記憶 〜菊池川流域「今昔『水稲』物語」〜
    • 54 やばけい遊覧 〜大地に描いた山水絵巻の道をゆく〜

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