我が国においては、児童生徒の学習意欲が逓減している現状や、学習の動機づけに対する工夫が弱いという現状こそが問題なのである。……この問題の改善なくして、児童生徒の学力向上は困難である。
すなわち、学習意欲の喚起こそが本当の学力向上につながると言えよう。児童生徒に、学習する必要性を納得させ、どういうところで使えるかに気づかせることが重要で、そのための授業の工夫が求められているのである。実生活と関連づけた指導の充実を図るなどして、数学や理科を学ぶことの意義や有用性を実感する機会を持たせることが重要である。
(本書「刊行に寄せて」(財)日本科学技術振興財団会長 有馬朗人)
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